ヒョウタン作りのポイント
1.播種時期
ヒョウタンが好きな気候は高温・強光なので、真夏の暑さと強い光の時に、果実の成長期をもってくるように育苗する。そのため、大〜特大ひょうたんの播種は4月上旬までに行う。 乾いた種を播き、次に灌水する。(催芽効果をねらって、種まきの前に種を水に漬けることは絶対に避けて下さい。ひょうたんの場合は逆効果となり、発芽が極端に遅れます。)
2.防寒対策
種子の発芽温度は 20 〜 25 度。芽出しと育苗は保温が必要。
直径10cm程度の黒のビニールポットに種をまく。深さ1cm。
1鉢1個。日だまりに置き、ビニールテント(ところどころに穴をあける)で覆う。
3.防風対策
強風には極端に弱いので、
(1)強風が当たらない場所に定植する。
(2)定植直後はビニールで囲う。
(3)台風の常襲地帯では、地這い栽培をし、台風が来たときはネットで覆う、
等の対策をとる。
4.整枝方法
親蔓が棚に届くまでの間に出てくる枝はすべて取り除く。棚上に届いた後は、枝を伸ばす。果実を着ける枝は、品種によって異なるので、表「品種によって異なる栽培法のポイント」を参考にして下さい。 ※枝の1本だけは雄花用とするために、摘芯せず、伸ばし続ける。
5.病害防除
茎が腐ってボロボロになる『つる割れ病』は土壌伝染性の細菌病で、農薬散布の効果は期待できない。連作を避けること。
炭そ病、うどんこ病等は、果実の成長期に多発する。ダイセン、ダコニール(炭そ病、等) カリグリーン、バイレトン(うどんこ病)等の農薬を、10日間隔をめどに、雨の後に散布する。
6.害虫防除
葉を円形にかじる褐色の甲虫・・・ウリハムシ
葉をモリモリ食べる青虫・・・・・ウリキンウワバの幼虫
茎や果実に穴をあけてかじるカメムシ
対策:マラソン、ハクサップを散布。早期駆除が決め手
根にコブが出来、地上部が萎れる・・・ネコブセンチュウ
対策:定植前の床土に駆除農薬(ネマトリン)を混合。
7.人工授粉
品種によって、どの蔓(子蔓・孫蔓・曾孫蔓)に着果させるかが重要。確実に着果させるために、又は品種の純粋性を守るために人工授粉を行う。(図を参照)
8.果実の保持
果実の柄の部分を太いロープで縛り、棚の支柱に保持する。ロープが柄に食い込まないように注意!
9.収穫の時期
収穫時に十分に完熟していることが重要。未熟の場合は腐らせる途中で崩れてしまう。開花後、完熟までの日数は品種によって異なる。( 表「品種によって異なる栽培法のポイント」 参照)
10.仕上げ(詳しくはこちら)
ドリルで口の部分に穴をあける。
中〜巨大ひょうたんの場合はまず、内部を腐らせて取り除き、次に表皮を腐らせる『二段階法』を用いると、悪臭をかなり軽減できる』。 小型ひょうたんの場合は、穴をあけた後、全部を水に漬けて、内部・表皮を同時に腐らせる。水流利用の種出し法を利用。
11. 美人ひょうたんにするために
色白美人は、種出し後の“根気よい水漬け”が決め手。これをやらないと色黒、シミ、ソバカス入りのひょうたんに。
でも“美人”の基準って何・・・色で決まる?、型で決まる?
それとも、好みの問題????
12. 加工
参考書として『加工のいろは』新潟県愛瓢会編を推薦します。(送料込みで1270円、ジャンボひょうたん会事務所で世話しています。)
「着色」「書く」「描く」「貼る」「彫る」「焼く」「嵌め込み」「造形」、紐・栓をつける、・・・・
ジャンボひょうたん会 栽培マニュアル 改訂版(第4版) 1997.4
上記より、許可を得て転載
WEB用に加筆・訂正 ジャンボひょうたん会 会長 大槻 義昭 2000.5
HTML版 制作 常見 俊直