嵌め込み

(沼岡 利雄)

    

概要

  瓢面に金属板(ここでは銅板を使う)等をはめ込む技法であり、できたものを象嵌瓢箪と言う。
            

材料・用具

  瓢箪・カシュー塗料(紅溜・ネオクリヤー)・カシュー薄め液・パテ(メジトップ)・紅ガラ・耐水サンドペーパー( 120#、 300#、  600#、1000#)・銅板(厚さ 0.4mm)・型紙(下絵)・万能接着剤・ハサミ(紙切り用・金切り用)・組みヤスリ・プライヤーまたはペンチ・ハンマー(小)・鉄床・筆ペン
     

作業手順


1) 同じ下絵の型紙を2枚作り、1枚を銅板に貼りつけて、ハサミで切り抜く。
2) 切り抜いた銅板を、ヤスリやハンマーを用いて、歪みをとる。
3) もう1枚の型紙(下絵)の図柄を瓢箪に『転写』する。
4) 切り取った銅板1枚を、瓢面に密着するように矯正しながら、瓢面上の図柄に従って張りつけ密着させる。
5) パテとして用いるメジトップの色を調整するために、紅ガラを適当に加えて、水を加えながら少し軟らかめに練る。
6) 着色調整したメジトップを、瓢面と銅板の段差(銅板の厚さ)をなくすように塗っていく。
7) 1日後、ペーパーヤスリ(粗いものから、細かいものへ順次)で余分なパテを研ぎ落とし、銅板を浮き出させる。
8) 色塗りをする。
瓢面に貼った銅板が、原図の模様のように綺麗に浮かび出たら、カシュー(紅溜)を瓢面全体に塗る。
パテを塗ったところは塗料を吸収するので、何回も塗る。
全体が同一色になるように仕上げる。
9) 水ヤスリで銅板の模様を研ぎ出し、最後は1000#を使って表面が鏡状なるよう磨き上げる。
10) ネオクリヤーで仕上げ塗装(ツヤ出し)を行う。

  

参考


1) 銅板の加工が困難な場合は、ガス火や焚き火等でナマしてから作業するとよい。
2) 研ぎ出しの程度が作品の良否を決定するので、粗目から細かい目と丁寧に行う。
3) 銅板の貼りつけでは密着させることが重要なので、長くて幅の広い模様はできるだけ避けた方がよい。
4) 用いる瓢箪は特大型や大長瓢のように、形の大きい方が作業し易い。
5) パテ(メジトップ)の入手は内装店等に相談する。

 


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