 |
概要
|
嵌め込み技法の一種であり、おうむ貝、夜光貝、鮑貝、鰈貝などの真珠光を放つ部分をとって薄片にし、種々の形に切って、漆器や木地などの面に嵌め込んで装飾する技法である。一般に薄貝を用いたものを青貝と言い、厚貝を用いたものを螺鈿と言っている。ここでは、卵殻を使って螺鈿技法について述べる。
 |
材料・用具
|
瓢箪・卵殻・すり鉢・ミキサー・カシュー塗料(黒または茶、ネオクリヤー)・筆または刷毛・カシー薄め液・筆洗いの容器・灯油・耐水サンドペーパー(180,320,600,1000#)
 |
作業手順
|
1. |
卵殻の準備 |
|
1) |
鶏卵を料理した際、卵殻(内側の薄皮は除去)を水洗いして乾燥させておく。30個分程。 |
2) |
「すり鉢」に入れて、「すり棒」である程度突き崩す。 |
3) |
崩した殻をミキサーにかけて、大きいものが5mm位になるまで破砕する。 |
4) |
殻を再び「すり鉢」に戻し、30cmほどの高さからドライヤーや扇風機の風の中を落とすことにより、残っている薄皮や殻の粉を吹き飛ばす。 |
5) |
園芸用のフルイで大・中・小に分けて、使用する殻の準備を終える。 |
|
2. |
卵殻を瓢面に接着させる |
|
1) |
瓢箪の口に棒を挿し込み、固定する。 |
|
|
2) |
少し濃いめのカシューを、幾らか厚めに塗る。 |
 |
3) |
準備された卵殻を、瓢面より20〜30cmの高さから均一に振りかける。出来上がりの殻の粗密は好みによるが、剥がれ落ちるのもあるので、多めに振りかけた方がよい。 |
4) |
振りかけが終わったら、表面を水で濡らしたゴム手袋などで卵殻を上から抑えて安定させる。 |
5) |
3〜5日乾燥させて、カシューが乾くのを待つ。 |
6) |
軍手か亀の子タワシなどで、卵殻の粗密を見ながら、落ちるものは落として調整する。 |
7) |
以後は、一般の研ぎ出しの要領でカシューを塗っていく(1日1回を限度に、卵殻の厚さ位まで5〜6回塗る。) |
|
3. |
研ぎ出し |
|
1) |
最後の塗りが終わったら、2〜3日おいてから、研ぎ出しを始める。 |
 |
2) |
荒研ぎ 150〜180#、中研ぎ 320# 、仕上げ研ぎ 600〜800#、更に1000#
で仕上げるとよい。 |
3) |
研ぎ終わったら、ネオクリヤーを塗って完成となる。 |
|
|