焼 き 絵

(大槻 幸江)

     

概要

  電熱ペンを使って瓢面に焦げめをつけることにより、絵や文字を書く技法であり、繊細な図柄の表現に向いている。また、描いた絵等は素地の瓢箪の色によく調和する。
           

材料・用具
原画・トレーシングペーパー・エンピツ・消しゴム 
電熱ペン:ウッドバーニング用として市販されている。価格は11,000円程度。
入手については、ハッコー株式会社(TEL06-6561-1574) に問い合わせのこと

電熱ペン

  

作業手順


1) できるだけ白く仕上げた瓢箪で、表面にシミ等のない、きれいなものを準備する。
2) 瓢面に、原画に従って、下絵を描く(転写の項参照)。
3) 下絵の跡を、電気ペンでゆっくりなぞって焦げめをつけ、描いていく。
  注意事項:
(1) 電流の調節、ペン先を押しつける強さ、走らせるスピードによって、微妙な濃淡を出すことができる。
(2) 様々な線や面を描きたいときは、ペン先を取り付けてあるネジをドライバーで緩めて、別の種類のペン先と交換する。 
(3) 焼き絵を施している最中、ペン先を瓢面から離すと、ぺん先の温度が急激に上昇する。そのペン先を再び瓢面に当てたときに、予定外の濃い焦げめができてしまうので注意を要する。微妙な細い線を描こうとする場合は、ペン先の温度に気をつける必要がある。
(4) 焼き絵を施した瓢箪は、年月の経過にともなって、地肌が褐色方向へ変化してくるため、描いた絵等が目立たなくなる傾向がある。瓢箪の完熟度が進むほど、着色が早い。焼き絵を施す瓢箪は、出来るだけ白色に近い方が絵がひきたつため、完熟したばかり(未熟気味)の瓢箪が適当である。また、水漬け後、白色に仕上げた瓢箪を焼き絵の使用に予定している場合は、光をさえぎるために黒のポリ袋に入れて保管しておくなど、作業前の着色を防ぐとよい。

 

作品例

 

 

 


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