透かし彫り

(内山 英雄)


  

概要

  種々の模様(直線・曲線)に従い瓢箪の殻の部分を切り取って透かしを入れる技法である。
  根気、ねばり、心の余裕が必要な作業であり、毎日少しずつ、焦らずやることが肝要である。
      

材料・用具
透かし彫り用具(上)   図2(右) 
(ア)デバイダー (エ)細工用組ヤスリ
(イ)アートナイフ (オ)自作細鋸
(ウ)ホビー鋸 (カ)自作小刀(右刀・左刀)

 

 

作業手順

        
 図面(線)引き

1) 上円(A)と下円(B)を描く(右図)
 
(1) 上円を描く
  本かVTRのテープの箱等を描こうとする高さに積み上げ、鉛筆を平行に置く。瓢箪を固定して、この本の台を回すか、時に瓢箪を回して水平に円を描く。トースカンがあれば一番よい。(輪切りの項参照)
(2) 下円も同様にして描く。
2) 円の分割
 
(1) 巻尺で上円の円周を測り、どの位の透かし目にするか、何等分にするかを決めて、デバイダーで分割する。この際、瓢箪の正面(図3のA点)を決め、そこから左右に分割していく。
(2) 残す線の部分のA' の分割をA点を基点として決めていく。
(3) 下円の円周を測り、上円の分割数と同数に分割する。
3) ダイヤの線を引く(図3)
 
(1) 先ず、ABを結んでいく。このとき、結ぶB点はA点より5〜6目ずらして結ぶ。
(2) A’〜B’を結ぶ。
4) 穴あけ(切り抜き)
 
(1) ダイヤの中心に四つ目ギリで穴を開ける。
(2) その穴を図2の鋸か、切り出しで穴をだんだん大きくしていく。最終段階ではヤスリで仕上げるので、その分を含んで荒切りをしておく。
(3) 最初のうちは強度があるが、抜き進むにつれて弱くなるので、瓢箪に当てる手の力(圧力)を加減しないと、細い線が折れることがある。
5) 仕上げ
 


(1) 図4の黒い部分をヤスリで仕上げていく。ヤスリは半円ヤスリの弧の部分を使い、だいたいケガキ線まできたら、平ヤスリで仕上げるとよい。最初から平ヤスリを使うと、角の部分がケガキ線の中に食い込むことがある。特に、ダイヤの角(隅)の部分は、先細の切り出しか、カッターでキチッと仕上げることが大切である。
(2) 最後に、斜線の太さの均一・曲がりの修正・切断面の滑らかさなど、先細のヤスリかカッターで仕上げて完成とする。

 

 

作品例



 

 


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