輪 切 り

(内山 英雄)


ねらい及び材料の瓢箪

 瓢箪を平面的に利用して組合せ、造形しようとするものである。輪切りにしようとする瓢箪は、千成、百成の小・中形は容易であるが、大形になるほど難しい。アメリカ瓢、ペルー種、その他の異形種は一層難しい。初心者は小形から始めるとよい。また、1個の瓢箪から輪切りにしたものが、2個しか出来ない。従って、多くの瓢箪を用意する必要がある。出来たら、肌のきれいな、口の穴の無いものがよい。                                 

用具と準備


1) 用具
トースカン
  トースカン、鉛筆、胴付き鋸、ホビー鋸、サンドペーパー(180#の木工用)、その他瓢箪を固定するもの(例:次ページ図示の自具)
2) 準備
 
(1) トースカン:工具店を訪ねてみる。入手出来ない場合は、自分で工夫して作成する。
(2) 瓢箪を固定する自具は考えてほしい。私は、瓢箪の大きさにより灰皿を使ったり、茶碗や小皿を使ったり、その都度、適当なものを用いている。
(3) あるいは、中央に窪みがあり、傾斜のあるものを作って使用している。傾斜をつけたのは、瓢箪の大きさにより、挿し込む深さを加減するためである。
(4) ホビー鋸はホームセンターで入手できる。薄い小細工用の鋸である。
(5) 胴付き鋸は、建具屋さんが使っている刃の薄い鋸である。これもホームセンターか工具店で入手できる。
(6) サンドペーパーは、厚手のベニヤ板(コンパネ)か、狂いのない板にボンドなどで貼って固定する。(切断面のすり合わせに使う)

作業手順


1) 先ず、瓢箪のセンターを出して(口と尻が水平)固定する。
2) トースカンで瓢箪の中心の周囲に、水平にケガキ(線を引く)をする。(瓢箪を固定して、トースカンを瓢箪の周りに動かしていけばよい)
3) 瓢箪をはずし、ケガキ線に沿って、口の方から胴付き鋸で切っていく。(このとき、鋸は引くときよりも押すときに切れるようにするとよい)
4) 中央から割られた(切られた)瓢箪をサンドペーパーの上でスライドさせながら、切断面が水平になるように磨り合わせる。 
5) 切断面が水平になったら、平らな場所に切断面を下にして伏せる。
6) トースカンでケガキをする。(1cmが限度)
7) ケガキが済んだら、再度、胴付き鋸、ホビー鋸で、瓢箪を片手で押さえながら切っていく。このときも、引くときよりも押すときに切れるようにする。
 以上で輪切りが終わる。以下、同様にして切っていく。

参考


1) 瓢箪の口に穴があいていたら、中心を切った時点でパテで埋める。
2) 切断面は、サンドペーパー(300#)で面取り(角をとる)して仕上げる。
3)

最も肝要なのは、最初の中心を切るときに瓢箪の固定と水平を保つことである。


 


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