養老の滝

 なぜひょうたんのページなのに滝の記事を掲載しているかといいますと、実はこの養老の滝にはひょうたんにまつわる伝説があるのです。

 昔、美濃の国に年老いた父を養っているきこりがいたそうです。毎日山に登り、懸命に薪を取って売ってはいたもののその日の暮らしに追われて、老父の好む酒を十分に買えずにいました。そんなある日、この滝からお酒が湧き出ているのを見つけたそうです。そこで腰に下げていたひょうたんに入れて家に持ち帰り老父に飲ませたところ、白い髪も黒くなり、顔のしわもなくなって、すっかり若返ったそうです。この話をお聞きになった元正天皇は、ご自身もこの酒を飲まれて、若返られたそうです。若返りを祝って年号を養老と改められたそうです。

 さてさて、この不思議な伝説にちょっと引っかかったことがありました。ひょうたんにお酒をいれて持ち帰っているのですが、果たして「奈良時代にひょうたんに水をいれることは可能であったのか」ということです。多くのひょうたんは皮が薄く、水を入れれば、どこかしら水が漏れてしまうものがほとんどです。現代であれば、シリコンなどを内側に塗ることで、水を漏らさないように加工することができます。奈良時代にはシリコンはありませんし、いったいどうしていたのだろうかと不思議に思っていました。

 そこで吉田裕一さんから貴重な情報をいただきました。なんでも、この養老の地で、自然に近いようにあまり肥料をやらないでひょうたんを育てると、皮が非常に厚いひょうたんを栽培することができるそうです。実際にひょうたんに触ってみましたが、とても皮が厚くどこにも水が漏れそうにありませんでした。ちなみに水をひょうたんにいれることは、さすがに落としたときなどに割れてしまう可能性があるためあまりお勧めされないそうです。

 吉田さんは、養老公園でひょうたんも扱うお店をされています。ひょうたん地図のコーナーでは吉田さんのお店を紹介しておりますので、ぜひそちらもご覧になってください。

 


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