和 紙 貼 り

長方形:吉野 秀夫
三角形:佐藤 良雄

      

概要

  果皮が薄かったり、害虫や風害などでケロイド状になったり、また、ひび割れができた傷物瓢を、一人前にする技法であり、和紙の柄、模様を生かして瓢面に丁寧に貼って仕上げる。
                

材料・用具

  和紙(千代紙)・ハサミ・洋裁用目打・ピンセット・刷毛(筆)・濡れ雑巾
  糊(ホーム糊と木工ボンドをブレンドしたもの。混ぜたら1日位置いてから使う)
  塗料:カシュー塗料(クリヤー、ネオクリヤー、カシューシンナー )

作業手順

長方形の紙貼り
  和紙を長さ20〜25p、幅3p程の長方形に裁断する。
柄物は模様合わせのため、ハサミで裁断した方が良い。
ボカシ、チヂミ和紙は手で裁断する。

貼り方
1) 貼るときは、瓢箪の上(口)の方から貼り始める。
2) 裁断した紙に糊を刷毛でまんべんなく塗る。
3) 最初は栓などで紙を固定し、30度位斜めに貼る。
4) 最初に貼った紙に添って、斜めに貼り進める。
5) これを繰り返し、貼っていくと、瓢の丸みで紙と紙の間に長い三角形の隙間ができる。
6) この隙間合わせに、長三角形の紙を切り、張り合わせる。
7) 以上の工程を繰り返し、瓢全体を貼り終える。
継ぎ目が目立たないように,目打ちの横面で軽く整える。
チヂミ和紙の場合は、直接、糊を多めに塗り、紙を指で軽く打つように貼る。

三角形の紙貼り
 
  和紙の裁断 
 和紙を一定の幅で短冊状に切る。次に、この短冊を角度と大きさの異なるいろいろの三角形に切る。大きさも大・中・小と違った大きさのものを作る。

貼り方
1) 下貼り。瓢の表面が汚れていたり、キズがある場合、下地に障子紙を貼ったり、白色の水性ニスを塗って、地色が和紙の表面に出るのを防ぐ。
2) 貼るときは、瓢の尻から貼り始める。
3) 瓢の表面は丸みがあるから、これに合わせて紙の大きさを選び、貼り進める。角度が合わない場合、ハサミで角度を合わせながら切って貼る。
4) 出来るだけ隙間をつくらないよう、また、重ね貼りしないように貼る上げる。
5) 貼り終えたら、乾燥させる。
6) 乾燥したら、カシュー塗料を塗って仕上げる。
和紙貼り後の仕上げ
  紙を貼り終えたら、完全に乾燥させた後、和紙の保護と艶出しのために透明塗料を塗る。カシューは少し濃いめのものを使う。和紙がカシューを吸うので何回かに分けて塗る(カシューの吸収を防ぐため、ボンドを水に薄めて塗り、乾いてからカシューを塗る人もいる。

 

作品例


三角形の紙貼り


 


前のページへ 前の章へ 目次へ 次の章へ 次のページへ