瓢箪づくりの楽しみ

 瓢箪は古来より縁起の良いものとされ、三つ揃えば三拍(瓢)子揃って縁起がよい。六つ揃えば無病(六瓢)息災といい、六瓢の掛け軸を飾ったら難病で苦しんでいた人が不思議にも健康になったともいう。瓢箪から駒が出るということわざがあるように、六瓢は六つの吉運を呼ぶ神秘の開運霊力があると言っている人もいる。また瓢箪といえば豊臣秀吉を思い出す。秀吉は戦いに勝つ度に馬印の瓢箪を一つ一つ増やし、秀吉の千成瓢箪として有名である。瓢箪は「勝負のツキを呼ぶ」。秀吉があれだけになれたのも瓢箪の霊力によったのかもしれない。

 私はいままで趣味としていろいろなことをしたが、この瓢作りが一番面白く思った。種まき・定植・支柱・摘心・追肥・病害虫の防除そして収穫、収穫後の種子出しは一苦労するが種子出しを終わって乾燥したら一段落で、暇なときに加工・仕上げをする。この加工・仕上げがまた大変楽しいもので、どのような色でどのようにしたらよいかと考えながら仕上げるのであるがなかなか自分の思い通りに出来ない。たまに会心の作が出来ると大変嬉しい。この加工・仕上げは屋内作業だから収穫が多い年は、冬や雨天時など一年間楽しい日を過ごすことが出来る。仕上がったら栓をつくり、房・紐などをつけて完成する。

 仕上がりの良いものをつくるには素材の良いものを作らねばならない。素材の良い瓢とは、実入りが十分である、口がある、肌に傷がなく形が整っていることでこれを「一口、二肌、三姿」といっており美人を選ぶ条件と似ているところがある。

 瓢箪には、長瓢・大瓢・中瓢(百成)・小瓢(千成)・首長瓢・だるま瓢・いぼ瓢などがあるが栽培方法は大体同じようにしてよい。しかし長瓢や大瓢は大きくなると重くなるので、それの支持等が必要となる。

 栽培は人間の心理として今年は去年より、また他の人のよりも大きいものを作りたいと思う。それで今年は畑も早く耕し堆肥もたっぷり入れて準備したが、種まきしても発芽しなくて、2回目でやっと間に合ったものもある。長瓢や大瓢の成長期は毎日の見回りが楽しみだ。長瓢は1日で約10センチ伸びたり、大瓢はピンポン玉ぐらいのものが野球ボールぐらいになることもある。しかし今年は失敗した。大瓢は8個できたが、一寸油断したすきに虫がつき肌に地図を書いたようになったり、猫が飛びついてひっかき傷がついた。長瓢は発芽不良で2回目の苗であったが、成育も他のものに追いつき1メートル50センチになったので、この調子なら私の身長よりも長くなると大変楽しみにし、先端が地面についてはいけないので下側に30センチの穴を掘ったがある朝見回りに行くとポッカリと折れていた。ほかにも3本出来たがみな折れてしまい、大瓢の方と共に実入り不十分で木が枯れてしまった。今年は天候の故か不作のところが多いとのことに安心した。

 今年は不作ながらも、中瓢・小瓢・首長瓢はどうにかものになった。その中で首長は鶴に似たものが出来たので、それを白で塗装し足を付け瓢の双鶴を作り、亀は中瓢を縦に半分に切り加工して鶴亀の置物を作った。またTVの時代劇でよく見る瓢の酒入れも作った。これは飾り物ようでウルシで仕上げ、房、紐を付け、盃も小瓢を半分に切って作った。

 瓢箪についていろいろ書いたが、瓢は誰でも作れるしいろいろな加工で、自分が楽しみながら人にも楽しんでもらうことが出来る。瓢箪の霊力は別として、皆さんも瓢箪づくりに挑戦してみてはどうですか。


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