なぜ,もみじは秋に青色ではなく赤色になるのか
まず最初に、人間が見ている色とはいったいなになのかということを考えたいと思います。まず太陽から光(様々な光が混じっているために白色に見える)が出て、物に当たり、その物が吸収しなかった光は反射され、その反射された光が人間の目に入って、人間は、その反射された光の色を、その物体の色であると言っているわけです。つまり、人間は、物体が吸収している色と逆の色をその物の色であると言っているわけです。日常的には、黒色の物は光を吸収しやすく白色の物は、光を反射する等といいますが、実際は、物が光を吸収した結果、物が黒色に見え、光を全く吸収しなかった結果、物が白色に見えていると言った方が正しいといえます。 また、人間は、波長が長くエネルギーが低い光の色を赤色と言い、波長が短くエネルギーが低い光の色を青色と言っているようです。よって、紅葉しているもみじはエネルギーの高い青色の光を吸収していることになります。ここからは、僕の推測ですが、もみじは落葉してしまう冬の到来に備えて、よりエネルギーの高い青色の光を吸収しようとする結果、人間には、赤色に見えるようになるということです。だから、仮にもみじが秋に青色になったとすれば、エネルギーの低い赤色の光を吸収していることになりますから、冬になるとエネルギー不足で枯れてしまうのではないかと思われます。
それでは、常緑樹はどうなるんだということになりますが、まあ、冬に落葉しないから良いのではというくらいのことしか、僕には分かりません。
あんまり理屈詰めで考えると叙情的な世界が楽しめなくなるというのが、僕の言い逃れです。
訂正 1998年1月18日
以上の記述に誤りだと思われるところがありました。近間信一郎さんからご意見を頂いたのでここに掲載いたします。きちんと文献にあたってから文書を書けば良かったと思います。
まず、物の本によると、秋に紅葉の葉が赤くなるのは、普通の落葉樹の葉が黄色くなるのと基本的には全く同じことであるとのことです。そこでまず、このことから説明しましょう。秋になり朝晩の気温が低下することがきっかけとなって、葉の葉緑体が壊れます。葉緑体には、クロロフィルとカロチノイド色素という光合成に必要な色素が含まれています。ここで、クロロフィル(葉緑素)はクロロフィルa,b,(c,d)に分けられます。(注1)カロチノイド色素は、高等植物に含まれるものでは、カロチン(赤橙色)、キサントフィル(淡黄色)などがあり、これらはカロチンに似た構造を持つので、この呼び名が付いています。そして、これらの色素は植物によってその種類、存在比は変わります。ここまでの説明で、葉の中に元々赤色(黄色)の色素が入っていることがお分かり頂けると思います。さて、ここからは私の仮説なのですが(^^;、この葉緑体の破壊の後でこれらの色素は分解を始めるわけですが、この分解の程度というのが、クロロフィル(a)とカロチノイド色素とでは違うのではないか、クロロフィルの方が早く壊れるのではないかということです。要は、新しい畳表がだんだん黄色くなってくのと同じことではないかと...。
ちなみに、光合成量とスペクトルの関係(作用スペクトル)を見ると(吸収スペクトルの最大のピークは青色側にきているのに)、赤色光の方が効率がいいのです。よって、エネルギー不足云々の話は正しくないことになります。