こまは不思議なおもちゃです。ただ回すだけで、立ってしまうのですから。中には回っていることに気付かないほど静かに回る、眠りゴマという物さえあります。これらのこまの動きを観察すると、初め軸が傾いていて、その軸が首を振るようにぐるぐると回っているのですが、そのうちだんだんと軸を起こしていき、最後には軸を床に直角に立てて回るようになる事に気付きます。回っているこまは立っている方が安定しているのです。
これは一体どうしてでしょう。
そもそも、回っているこまはどうして倒れないのでしょう。このわけは、要は物に力が働くと、それに応じて速さが変わるということから理解できます。言葉だけでは面倒なので、下の図を見てください。図1を見てみましょう。これは、回っていないこまの軸に力をかけたときの図ですが、こまの各点は図で示した矢印の方向に動くので、こまは倒れてしまいます(あたりまえです(^^;)。では、こまが回っているときはどうかというと、このとき、こまは図1と同じように動こうとしますが(図2)、違うのは、こまの各点は図3の青い矢印の方向に動いているということです。力が働いたとき、速さが変わるといいましたが、軸にかかる力の向きはこの速さに直角なので、図5でみるように、変化するのは速さの向きなのです。こまは手前では少し下向きの速さで回り、反対側は少し上向きに回るようになります。で結局、こまは図6のように回るようになるのですが、このこまの傾きは力の向きに直角です。つまり回っているこまは図7のように、力に直角に動くのです。図8は、こまを回したときにかかる力と首振り運動との関係を示した図です。こまには下向きに重力が働きます。この力は下向きなのでこまを倒そうと働きますが、こまが回っているために、こまはこの力に対して直角の方向(横向き)に動くことになります。そのため、こまは重力が働くのに倒れないのです。
ただ、これだけではこまはずっと首振り運動をするだけではないかという疑問が起きます。こまを立ち上げるのは、実は、軸が床と接している部分のまさつ力です。図9は、このことを詳しく見た図です。こまの軸と床との接点は軸の中心からずれており、こまが速く回転しているので、軸はすべっています。このとき、軸にはすべりまさつ力が働き、これが図9で示すように首振りの方向を向いているので、軸は立ち上がるように動きます。この力は軸が立ち上がるまで働くので、これにより、こまは軸を直立させるのです。
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