なぜ、救急車は近づくときと遠ざかるときで音が違うのか

知っている人には、やっとやるのかと思われそうですが、まあ科学ページの定番ということで。
まず音とはいったい何でしょうか。ラジカセか何かの大きいスピーカーをみれば分かりますが、スピーカーの膜の部分は音が出ていないときは揺れていませんが、音が出ているときは揺れていますね。そのことから分かりますが、スピーカーは空気を揺らして音にしているのです。それでその空気の揺れが耳の鼓膜を揺らして、人間は音を認識するというわけです。それでは、人間は空気の揺れである音の何を感じることができるでしょうか?人間は、空気の揺れがどのくらい大きいものか、また一定の時間に何回ぐらい揺れたのか、大きな揺れにどのような小さな揺れが加わっているのか、ということを感じることができます。これらはそれぞれ、音の、音量、振動数、音色、と呼ばれています。音量は音の大きさで、振動数は音の高さ、音色は音色を表します。

それでは本題に入りましょう。救急車が自分の前を通り過ぎるとき、どのように音は変化するでしょうか。まず音色は変わっていないとします。実際音色が変わって、あの「ピーポーピーポー」という音が、ピアノの音で聞こえてきたりすることはありませんから。つぎに音量ですが、救急車が自分の前を通った瞬間に、音が変わることを考えると音量だけが変わっているとは考えにくいです。というのは、直感から救急車が遠くにいるときは、小さく聞こえ、近くにいるときは大きく聞こえそうだからです。目の前を通るときは距離は近いままですから、音量が突然変わるとは考えにくいのです。結局残るは振動数です。では振動数が変わることはあるのでしょうか。振動数の定義は一定の時間に何回空気の揺れがあるかということですが、音の伝わる速度が一定の場合、振動数は一定の距離の中に何個空気の揺れがあるかを示します。振動数が大きくなればなるほど、一定の距離に含まれる空気の揺れは多くなり、小さくなればなるほど、一定距離に含まれる空気の揺れは小さくなります。救急車が自分の方に向かってきている時は、進んでいる前の揺れに追いつくようにして、次の揺れを出しますから、一定の距離に含まれる空気の揺れは多くなります。また救急車が自分から離れていくときは、ある揺れを出した後に、その揺れから逃げるように、次の揺れを出しますから、一定距離に含まれる、空気の揺れは少なくなります。結局、救急車が近づいてくるときは振動数が大きくなり、遠ざかっていくときは振動数が小さくなります。その結果、救急車が自分の目の前を通過するときに、突然音の高さが低くなるのです。


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